福田龍彌 vs. キム・スーチョルの焦点は、接近を打撃で止めるか、打撃の距離を組みで潰すか。 福田が得意な交錯を作れても、その直後に押し込まれれば攻撃は続かない。スーチョルも前へ出るだけでは足りず、福田の反撃を越えて次の攻めへつなぐ必要がある。
AI予想は福田のKO/TKO勝ち。ただし、一発の強さだけで選んだわけではない。安藤達也戦での福田の迎え撃つ打撃と、佐藤将光戦でスーチョルが受けた反撃を重ね、接近する瞬間と、組みが離れる瞬間に勝負が動くと読む。
今回の対戦条件
福田龍彌 vs. キム・スーチョルは、11月8日のRIZIN.55で行われるバンタム級の一戦。61.0kg、5分3ラウンドのRIZIN MMAルールで、タイトルマッチではない。
福田は4月のアジズベク・テミロフ戦でKO負けを喫してからの再起戦。スーチョルはRIZINで井上直樹、佐藤将光に連敗した一方、今年3月のROAD FCではヤン・ジヨンを判定で破っている。両者を一括りに「連敗からの再起」と紹介すると、スーチョルの直近の勝利を落としてしまう。
両者の背景と、今回見るポイント
福田龍彌――迎え撃つ打撃を、次の攻めへつなぐ
福田は修斗のフライ級王座を経て、DEEPでフライ級とバンタム級の二階級を制した選手だ。短い時間での決着が印象に残る一方、2025年5月の牛久絢太郎戦では判定でバンタム級王座を防衛している。早く倒せなければ手段がない、という選手像では捉えきれない。
今回の組み合わせで重く見るのは、大晦日の安藤戦だ。福田は最初のタックルを防ぎ、2Rには自分から倒す場面も作った。最後は安藤の右ジャブをかわして右フックを当て、追撃からTKOにつなげた。相手が入ってくる瞬間に、自分の打撃を差し込める。 その実例が、圧力をかけて接触したいスーチョル戦の入口になる。
ただし、安藤もサウスポーだった試合を、そのまま再現するという話ではない。スーチョルは構えを切り替え、打撃から組みへ移る。福田にはパンチへの反応だけでなく、打った後に腰を取らせず、自分の距離へ戻る仕事が加わる。
キム・スーチョル――前進を止めず、組んだ先で攻められるか
スーチョルはONEの初代バンタム級王者で、ROAD FCでも王座を獲得してきた。RIZINでは扇久保博正や中島太一に勝利している。接近する力に加え、打撃、組み、寝技をつなげる経験がある相手だ。
佐藤戦では、打撃を出しながら組みつき、倒しても立たれると再び追い、背後へ回って引き崩す攻防を続けた。途中で反撃を受けても組み直して追撃を止めている。福田が一発当てただけで、その後も自由に打てるとは限らない。
一方、その試合で佐藤は組みを解き、離れ際のヒジや接近へのカウンターを返した。スーチョル自身も試合後、クリンチへの対応と離れる瞬間の被弾を課題として挙げている。今回見るべきは、前進したかではなく、接触した後に誰の攻撃が残ったか。 福田を押し込んでも反撃を受けて離されるなら、圧力だけで優勢とは読めない。
直近5試合を振り返る
福田は3勝2敗、スーチョルは2勝2敗1NC。プロMMAの全団体を対象に、新しい順で5試合ずつ並べた。福田の2つのTKO勝ちと、スーチョルの2つの判定勝ちが、今回の展開を考える入口になる。
直近5試合の結果
福田龍彌
スーチョル
福田龍彌の直近5試合
| 対戦相手 | 結果 |
|---|---|
| アジズベク・ | 負け・KO |
| 安藤達也2025.12.31 / RIZIN | 勝ち・TKO |
| 井上直樹2025.07.27 / RIZIN | 負け・判定 |
| 牛久絢太郎2025.05.05 / DEEP | 勝ち・判定 |
| 芦澤竜誠2024.12.31 / RIZIN | 勝ち・TKO |
スーチョルの直近5試合
| 対戦相手 | 結果 |
|---|---|
| ヤン・ジヨン2026.03.15 / ROAD FC 076 | 勝ち・判定 |
| 佐藤将光2025.05.31 / RIZIN | 負け・判定 |
| ヤン・ジヨン2024.12.29 / ROAD FC 071 | NC |
| キム・ヒョンウ2024.10.27 / ROAD FC 070 | 勝ち・判定 |
| 井上直樹2024.09.29 / RIZIN | 負け・TKO |
2024年12月のヤン戦は、バッティングを理由に結果がNCへ変更された試合だ。KO負けとして数えたり、打たれ弱さの根拠にしたりはできない。再戦となった今年3月のヤン戦では、スーチョルが延長ラウンドを経て判定3-0で勝っている。
今年3月のヤン戦と2024年10月のヒョンウ戦は63kg契約で、今回の61kgとは条件が違う。加えて、韓国大会のケージで作った押し込みを、RIZIN.55のリングで同じように使えるとは限らない。直近の勝利は復調を考える材料になるが、契約体重と試合場まで揃った比較ではない。
共通の相手・井上直樹との結果をどう読むか
井上に対し、福田は2025年7月に判定負け、スーチョルは2024年9月にTKO負けを喫した。しかし、長く戦った福田が今回も上、という結論にはならない。相手が同じでも、時期、入り方、決着に至る攻防が違うからだ。
福田の井上戦では、踏み込んでもジャブやフック、距離の取り直しに阻まれ、強打を継続して届かせられなかった。今回もスーチョルが正面から入ってくれなければ、福田が自分から距離を詰める時間が生まれる。そこで待ちのカウンターだけに予想を預けることはできない。
スーチョルの敗戦も、一度のTKOでその後のすべての交錯を説明するものではない。今回に引きつけて見るなら、勝敗表の差よりも、接近の途中に打たれた後、組みへ切り替えて立て直せるかが問題になる。
格闘技JAPAN独自のAI予想――福田龍彌のKO/TKO勝ち
AI予想
福田がスーチョルの接近を打撃で捉え、組まれても離れて打ち直す。その機会を重ね、KO/TKOへつなげる展開を本線に置く。最初の一撃で終わる予想ではなく、接触を解いた後も打撃の機会を残せるかを重視した。
なぜ福田を選ぶのか
安藤戦で福田が見せたのは、相手の攻撃をかわして返す打撃から、追撃までをつなぐ形だった。一方、スーチョルは佐藤戦で、組みへ入る途中や離れるところに反撃を受けた。福田の攻撃の入口と、スーチョルが反撃を許した局面が重なる。 ここを今回の予想の根拠にした。
佐藤のヒジや組み際の対応を、福田にもそのまま当てはめてはいない。福田に必要なのは、佐藤と同じ技で勝つことではなく、打撃を返せる距離を取り戻すことだ。安藤のタックルを防いだ場面はその可能性を支えるが、スーチョルの連続した組みも防げるという証明ではない。
判定よりKO/TKOを選ぶのは、接近の瞬間に強い打撃が交わり、そこから追撃へ移る展開を想定するためだ。芦澤戦、安藤戦のストップ勝ちも材料になる。ただし、通算のKO/TKO率が高い方を機械的に勝者にしているわけではない。組みで打撃の機会を消されれば、この決着予想を支える攻防自体が成立しなくなる。
予想が外れるとしたら
スーチョルが反撃を受けても組みつき、福田に打ち直す距離を与えない展開だ。 佐藤戦では被弾後のクリンチで追撃を止め、テイクダウンや背後への移行を繰り返した。福田が同じように押し込まれ、離れる作業に追われるなら、強打を持つことと使えることの間に差が生まれる。
福田の直近のテミロフ戦も、KO予想に都合のよい材料ではない。福田は中央から圧力をかけていたが、2Rに身を低くしてジャブを出したところへ右フックを受けた。自分から攻めている時間にも、相手の強打が入る余地はある。 スーチョルを止めようと前へ出すぎれば、打撃でも組みでも相手の接触を許す可能性がある。
スーチョルの判定勝ちを対抗の展開に置く。福田が防御のたびに位置を戻せず、相手の打撃や寝技の攻撃が積み重なるなら、その読みが強くなる。単に押し込んだ時間を数えるのではなく、どちらがダメージやフィニッシュにつながる攻撃を作れたかを見る。
どの場面で見立てを変えるか
福田が一度のタックルを防いだだけなら、まだ予想どおりとは言えない。その後に横へ動いて離れ、打ち直せたかまでを見る。スーチョルがその動きに追いつき、背後や腰を取り直して攻撃を続ける場面が重なれば、福田のKO/TKO予想を見直す。
逆に、福田が接近に合わせた後も押し込まれず、再び打撃の距離を作れるなら、予想を支える材料になる。最初の強打が当たるかだけでなく、次の一手を選ぶ余裕が、どちらに残っているかを追いたい。
反撃の後に、距離を取り戻せるか
福田が接近を捉えた後、スーチョルは組み直せるか。それとも福田が離れて次の打撃へ進むか。最初の一発の後に残る攻撃が、強打と圧力のどちらが試合を動かしているかを示す。
出典と確認日
- RIZIN・RIZIN.55対戦カード(契約体重・ラウンド) ↗確認日:2026-10-19
- RIZIN・福田龍彌プロフィールと戦績 ↗確認日:2026-10-19
- RIZIN・キム・スーチョルのプロフィールと戦績 ↗確認日:2026-10-19
- RIZIN・福田龍彌 vs. 安藤達也(2025年12月31日) ↗確認日:2026-10-19
- RIZIN・福田龍彌 vs. アジズベク・テミロフ(2026年4月12日) ↗確認日:2026-10-19
- RIZIN・井上直樹 vs. 福田龍彌(2025年7月27日) ↗確認日:2026-10-19
- RIZIN・福田龍彌 vs. 芦澤竜誠(2024年12月31日) ↗確認日:2026-10-19
- DEEP・DEEP 125 IMPACT結果(牛久絢太郎戦) ↗確認日:2026-10-19
- RIZIN・キム・スーチョル vs. 佐藤将光(2025年5月31日) ↗確認日:2026-10-19
- RIZIN・スーチョルと佐藤将光の試合後インタビュー(2025年6月3日掲載) ↗確認日:2026-10-19
- RIZIN・井上直樹 vs. キム・スーチョル(2024年9月29日) ↗確認日:2026-10-19
- ROAD FC・076結果(ヤン・ジヨン戦、63kg・延長判定) ↗確認日:2026-10-19
- ROAD FC・071のNCと076での再戦について ↗確認日:2026-10-19
- ROAD FC・070計量結果(スーチョル vs. ヒョンウの63kg契約) ↗確認日:2026-10-19
- Sherdog・福田龍彌のプロMMA通算と勝利内訳(補助資料) ↗確認日:2026-10-19
- Sherdog・スーチョルのプロMMA通算と直近履歴(補助資料) ↗確認日:2026-10-19