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見どころ・考察 / BANTAMWEIGHT MATCH

鹿志村仁之介 vs. 太田忍|RIZIN.55の見どころとAI予想

見どころ・考察|鹿志村仁之介 vs. 太田忍|格闘技JAPAN

鹿志村仁之介の仕掛ける寝技と、太田忍の上から攻める力が交わるRIZIN.55。両者の直近5試合・プロMMA戦績から、組み際と位置の入れ替わりを軸に見どころとAI予想を掘り下げる。

プロMMA通算。鹿志村仁之介12勝6敗0分、KO/TKO率8%、サブミッション率83%。太田忍8勝6敗0分、KO/TKO率50%、サブミッション率25%。率の分母は各選手の勝利数

鹿志村仁之介 vs. 太田忍は、倒した後に主導権が入れ替わるかを見る試合だ。 太田がテイクダウンを取っても、鹿志村が下から腕や首を捉えれば、攻めている側は逆転する。一方、鹿志村も得意な形に入るだけでは足りない。太田にほどかれれば、上からの打撃や押さえ込みにさらされる。

柔術とレスリングという競技名を並べるだけでは、この一戦の面白さは伝わりきらない。最初に倒したのは誰か、その次に相手を守りへ回したのは誰か。 この二つを分けて追うと、組み合いの中の勝負が見えやすくなる。

今回の対戦条件

鹿志村仁之介 vs. 太田忍は、11月8日のRIZIN.55で行われる61.0kg、5分3ラウンドのバンタム級戦。タイトルマッチではない。

両者とも前戦は7月18日の広島大会だった。鹿志村はダニー・サバテロの王座に挑んで3RにKO負け。太田はイリスベク・ティレノフに2RでTKO負けを喫した。同じ日に敗れた二人が、それぞれの得意な組みをMMAの攻撃へ変えられるかを問われる。

ただし、同じ大会で負けたことは、同じ課題を抱えているという意味ではない。鹿志村は寝技をほどかれて立ち技へ戻された。太田は倒しても相手に立たれ、最後は打撃で止められた。今回は、その違いが直接ぶつかる組み合わせになる。

両者の背景と、今回見るポイント

鹿志村仁之介――上下を問わず、相手を守りへ回せるか

鹿志村は柔道から柔術へ進み、2020年にプロMMAデビュー。DEEPバンタム級の暫定王座を獲得し、RIZINの王座戦も経験している。プロ12勝のうち10勝がサブミッションだが、その数字以上に見たいのは、どの瞬間に技へ入るかだ。

所英男戦では、片足へのタックルから倒した後、密着して押さえ続ける形を選ばなかった。立ち上がって相手の脚を越えようとし、所が起きるところで頭を捉え、アナコンダチョークへ移った。相手が位置を戻そうとする動きも、一本への入口にする。 これは太田が組み直したり立ち上がったりする局面を考える材料になる。

下になってからの攻撃もある。安井飛馬戦では、上を取られた後に脚で相手の腕を絡めて肩を極めるオモプラッタから、腕への攻めを連係し、相手に対処を迫った。一つの技を防がれて終わらず、次の形へ移れるか。太田戦でも、寝技に持ち込めたことより、その中で相手の自由を奪えたかを追いたい。

太田忍――テイクダウンを、攻める位置へつなげられるか

太田は2016年リオ五輪のレスリング・グレコローマン59kg級銀メダリスト。MMAへの転向後は、投げや押さえ込みだけでなく、打撃と絞めによる勝利も重ねてきた。レスリングの実績を、そのままMMAでの優劣に置き換えることはできないが、組んだ相手を崩す力はこの試合でも大きな要素になる。

今年5月の金太郎戦は、その先の攻撃が見えた一戦だ。倒しても立たれると再び組み、コーナーでパンチやヒザを加えた。2Rにはテイクダウン後、片脚を相手の両脚に挟まれたハーフガードの位置から押さえ、肩固めで勝利している。鹿志村が仕掛ける時間を与えず、上から位置を固めて攻める形は、太田にとって有力な勝ち筋だ。

一方で、鹿志村のガードは金太郎と同じではない。相手の腕や首を抱えたまま攻め急げば、太田自身が絞めや関節技への対応を迫られる。上を取るまでの勢いと、上を取った後の慎重さを両立できるか。 そこに今回特有の難しさがある。

直近5試合を振り返る

鹿志村は4勝1敗、太田は2勝3敗。プロMMAの全団体を対象に、新しい順で5試合ずつ並べた。太田の表にはBellatorでのロジャー・ブランク戦も含め、RIZINだけの5試合に置き換えてはいない。

直近5試合の結果

鹿志村仁之介

太田忍

KO=KO・TKO勝ち/SUB=サブミッション勝ち/判定=判定勝ち。

鹿志村仁之介の直近5試合

2025.09.07〜2026.07.18/プロMMA・全団体/新しい順
対戦相手結果
ダニー・サバテロ2026.07.18 / RIZIN負け・KO
平松翔2026.05.04 / DEEP勝ち・TKO
所英男2026.03.07 / RIZIN勝ち・サブミッション
安井飛馬2025.11.03 / RIZIN勝ち・判定
マジシャン2025.09.07 / DEEP勝ち・サブミッション

太田忍の直近5試合

2024.06.22〜2026.07.18/プロMMA・全団体/新しい順
対戦相手結果
イリスベク・ティレノフ2026.07.18 / RIZIN負け・TKO
金太郎2026.05.10 / RIZIN勝ち・サブミッション
ダニー・サバテロ2025.05.04 / RIZIN負け・TKO
元谷友貴2024.09.29 / RIZIN負け・サブミッション
ロジャー・ブランク2024.06.22 / Bellator勝ち・サブミッション

鹿志村の平松戦は、1R16秒の負傷によるTKO決着だった。勝利は含めるが、短時間で打撃を当て続けた試合や、一本を取り切った試合と同じ内容ではない。直近4勝の内訳も、サブミッション2、TKO1、判定1に分けて読んでおきたい。

太田は直近5試合の2勝が、どちらもサブミッションだ。ブランク戦では上から相手の横、さらに頭側へ回り込んで押さえ、絞めで終えた。太田を「倒すだけの選手」、鹿志村を「下から仕掛けるだけの選手」と分けると、両者が持つ攻めの幅を見落とす。

ブランク戦の日付は開催地の6月22日で、日本時間では翌23日。対象期間は鹿志村の約10カ月に対して太田は約2年で、同じ5試合でも活動間隔は異なる。太田の2022年のタッグ・グラップリング戦は、プロMMAの通算にも直近表にも含めない。

サバテロに敗れた二人を、どう比較するか

鹿志村も太田もサバテロに3Rで止められた。しかし、決着までの時間が近いから実力も近い、という読み方はできない。鹿志村は横三角などを仕掛けた後に離され、太田はタックルから相手を持ち上げる攻防で体勢を崩した。勝負が動いた道筋が違う。

鹿志村戦でサバテロが選んだ、寝技をほどいて立たせる判断は、今回の太田にも参考になる選択肢だ。ただし、太田が同じ距離の管理や打撃を再現できるとは限らない。逆に、太田の元谷戦で起きた背中の取り合いを、鹿志村が同じ技順で制するとも決めつけない。共通の相手との結果ではなく、今回も起こり得る攻防を取り出して考える。

格闘技JAPAN独自のAI予想――鹿志村仁之介のサブミッション勝ち

AI予想

鹿志村が太田との組みの攻防で首や背中を捉え、技をつないでサブミッション勝ちへ持ち込む展開を本線に置く。最初のテイクダウンを取る側より、位置が変わる瞬間に相手を守りへ回せる側を重視した。

AI予想で想定する展開:組みの攻防で接触し、鹿志村が首や背中への攻めに移り、技をつないで一本を狙う。太田が仕掛けを止めて攻撃を続ければ見立てを変える。
組み合いから、次の攻撃を作る側を見る。

なぜ鹿志村を選ぶのか

所戦では、相手が起きようとした瞬間を鹿志村が絞めの入口にした。一方、太田の元谷戦は、組みの攻防が自分の攻撃から相手の一本へ変わった例になる。3R、太田がギロチンを狙った後、元谷が逃れて背後へ回り、リアネイキッドチョークを極めた。

ここからの推論は、太田が組みで動かす局面ほど、鹿志村にも仕掛ける機会が生まれるということだ。倒される可能性があるから鹿志村を不利とするのではなく、倒す途中や倒した直後の首・腕・背中への攻めが、太田の前進を止めると読む。

鹿志村は安井戦でも、下から複数の技をつないで防御を強いた。今回も一つの形を防がれた後、別の攻めへ移れることを予想の支えに置く。決着技を横三角やアナコンダの一つに固定せず、相手の反応に応じた連係から一本へ届く展開を選んだ。

ただし、太田の金太郎戦とブランク戦が示す上からの攻撃は、この読みへの強い抵抗になる。鹿志村が首へ手を伸ばす前に位置を固定されれば、得意な技の多さがそのまま使える技の多さにはならない。

予想が外れるとしたら

太田が鹿志村の仕掛けをほどき、上からの打撃を重ねる展開だ。 金太郎戦では、立たれても組み直し、最後はハーフガードから肩固めにつないだ。鹿志村が下から技を狙うたびに姿勢を戻され、腕や首を捉えられないなら、攻撃のために選んだ下の位置が被弾する場所へ変わる。

太田が寝技を深追いせず、離れて立ち技を選ぶ展開もある。鹿志村はサバテロ戦で横三角を防がれ、その後も寝技を継続できず立たされた。本人も試合後、準備していた横三角を取り切れなかったことを振り返っている。得意な形に入ったことと、決着まで進めたことは別だ。

そのため、対抗は太田のKO/TKO勝ち。鹿志村が引き込んでも技を作れず、上からの打撃を受けたり、立ち技へ戻されて再接近を止められたりすれば、こちらの展開が強くなる。太田が勝つ場合もレスリングの制圧だけに限定せず、仕掛けを消した後の攻撃まで見る。

どの場面で見立てを変えるか

鹿志村がガードへ引き込んだだけなら、予想どおりとは言えない。太田の腕や首を捉え、相手が打撃を止めて逃げる動きを取ったか。その反応を引き出した後に、鹿志村が次の技や有利な位置へ進めたかまで追う。

逆に、太田が仕掛けをほどいて姿勢を戻し、鹿志村に防御を強いる攻撃を重ねる場面が続けば、一本勝ち予想を見直す。鹿志村が寝技に入れず、打撃の距離で追う時間ばかりが長くなる場合も同じだ。

この試合では、上にいるか下にいるかだけで攻勢を決めない。 相手に技を防がせた後、次の選択まで奪えたかを見ることで、組み合いがどちらの試合へ近づいているかを判断しやすくなる。

倒した後に始まる、もう一つの勝負

太田が倒した瞬間で、攻防は終わらない。鹿志村が腕や首を捉えて防御を強いるのか、太田が仕掛けをほどいて打撃を重ねるのか。位置が変わった直後に、どちらの攻撃が始まるかを追いたい。

RIZINマンのイラスト

THE PERSON BEHIND THE JOURNAL

RIZINマン

中学2年のときに見たプロレスをきっかけに、格闘技にはまる。自身も空手を経験。RIZINは現地でも観戦し、PPVは毎回購入しています。

好きな選手は堀口恭司。試合を見る・語る楽しさを、格闘技JAPANで届けます。

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